小学生のお母さんからよく受ける相談の
一つが「宿題」についての相談です。
今年は1週間の間に3件立て続けに
受けました。
「宿題をやらなくて困っている」
宿題をやろうとしないお子さんと
宿題をやらせたいお母さんとの間で
トラブルになることがかなり多いんです。
大抵の場合やろうとして失敗するのが
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やることをやったら好きなことをやれる
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というルールの徹底。
好きなことを「ご褒美」として使って
嫌なこともやれるようにしましょう。
子どもの言うことに振り回されないように
しっかりと子どもをコントロールしましょう
という発想ですよね。
これ、支援者がしがちなアドバイスです!
(もちろんお子さんによっては一貫した
対応が大切な場合もあります。)
でも多くの場合…
その子たちの生活・ご家族の生活を
なーんにもわかってない人の提案です。
もうねぇ。聞いた瞬間
「そんなん無理無理!」
「そんなことやったら
親子関係が悪化しますよ!」
と思わずコメントしてしまうのですが😅
十中八九お母さんから返ってくるのは
「そうなんです。もう疲れました…」
というお言葉なのです。
本来「大好きな我が子のために」
と思って一生懸命かかわった結果が
親子関係の悪化と疲労困憊なんて…
悲しすぎます😢
そしてもう一つ関連して
お母さんからときどき聞くのが
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場所によってルールがちがうと
お子さんが混乱するから
学校でも家庭でも療育機関でも
同じルールを作りましょう。
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といった
場所が変わっても同じ対応をしましょう
というアドバイスで戸惑ったという話です。
一生懸命なお母さんたちは
アドバイスされたことをやろうとします。
でもうまくできないことで
自分の力不足を嘆き、自分を責めます。
「本人にとってわかりやすいツールを
家でも学校でも共通で使いましょう!」
ならわかるんです。
でもそもそも大前提となるそれぞれの
場所で、環境がまったく違うんです。
対応する人も違うのです。
こういった環境の違い頭に置きながら
可能な範囲でご本人の特性にあわせた
環境調整を工夫し、試みた上で
それぞれができる対応を考えていく方が
お互いにとって無理がありません。
そして「宿題」の話に戻ると
もしかしたら、お母さんは
「やらせたい」と言うよりも
「やらせなければならない」
と思ってる場合が多いかもしれません。
僕が小学生のときには
宿題をやらないと先生に怒られたり
居残りでさせられたりしていました。
宿題をやることが当たり前だと
思っていませんか?
少なくとも僕は思っていました。
そして、特に小学校一年生のときには
宿題をやらないと
「しっかりやらせてください」と
お母さんが注意されますよね。
だから尚のこと、
やらせなければならない
と思ってしまう。
学校はとっても刺激の多い場所です。
そしてお子さんは相当頑張っています。
そこで1日過ごしてきたお子さんは
疲れ切っていることが多いです。
お家は「羽を休められる安全基地」です。
家に帰ってきてホッとして気が緩みます。
例えば自分のことに置き換えてみたら
どうでしょうか?
僕らが外でフルタイムでがんばって
仕事をして家に帰ってきたときを
想像してみてください。
ぼーっとテレビを見たり
大好きなコーヒーを飲んだり
仲のいい友人とおしゃべりしたり
そんな時間をとりませんか?
うちの息子はASDの傾向があります。
我が子の場合は
先生から出された宿題は
「やらなければならないもの」
という認識でした。
でも学校から帰ってきて
疲れている状態でやろうとすると
少しわからないとか、書き間違えただけで
イライラして、ますますうまくいかない
という悪循環に陥っていました。
基本的に家の中では
呆れるくらいずっとしゃべってるのですが
日によって、黙々とレゴを作っていたり
黙ってYouTubeを見ていることがあります。
黙々と何かに没頭したり
ぼーっとしたりすることによって
自分の頭の中をリセットしているようです。
そのための時間が必要なのです。
我が家の定番のやりとりなのですが、
しばらくぼーっとする時間をとった後
「今日宿題は(あるの)?」
「いつやる?」
と本人に聞くようにしています。
本人に決めてもらう。
すると大抵の場合ちゃんとやるのです。
それでも日によっては、やり始めてから
イライラしやすいことがあります。
うちの子の場合はやらなければならない
と思っているので、そのことが辛そうに
感じられることがありました。
そんな時(これはあくまでもぼくの考え)
「別にやらなくていいんじゃない。
先生にやれなかったことを話しなさい」
「宿題は内容ができるようになったかを
確認しているだけだから、できるのなら
そんなに苦労してまでやらなくていい」
という話を息子にはしてきました。
「パパはとんでもないことを言う」
と最初は怒られましたが
今は笑って受け流してくれています(笑)
(色んな価値観があっていいと思うんです)
学校から出された課題なら
お母さんが対応・処理するのではなく
学校に責任をとって対応してもらうべきだと
本気で思っています。
そして、求めることをやめたら
自分でやるようになったという
報告をたくさん受けています。
「今日は疲れたから明日の朝にする」
「朝やってみたら寒くて起きるのが
大変だったから
やっぱり前日の夕方にする」
と自分の体験から修正していた
という報告も最近受けました。
こうやって
自分で選べるようになっていきます。
親子関係を悪化させてまで
やらなければならないことは何もない。
まずは
集団生活を頑張っているお子さんにとって
「家庭が羽を休められる安全基地」である
ことがなによりも大切だと思っています。
羽を休められる場所があるからこそ
また飛び立っていけるのです。
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