先月今月と「お父さんだけのおしゃべり会」を2回開催しました。
お忙しい中、時間を作って参加してくれたこと、お父さんとしての率直なお気持ちを聞かせてもらえたことがとっても嬉しかったです。
最初は緊張した様子を見せていたお父さんたちも会が終わる頃にはほぐれて、最後には「なかなかお父さん同士で話せる場がないので今回のような機会は貴重」「こんな機会が定期的にあればいい」「子育てだけじゃなく人間関係全般に繋がる話で気づきがたくさんあった」といった感想に加えて「1時間ならテーマを一つに絞ってじっくり話し合ってみるのもいいかもしれない」といったご提案までいただきました。
開催するにあたってテーマを絞ってやる方が参加しやすいかとも思ったのですが、まずはプレ開催的な位置付けとして、お父さんたちの率直な思いに触れたいと思い、フリートークをメインにしました。
今日は、この「お父さんだけのおしゃべり会」をやろうと思ったそもそもの経緯についてお話ししたいと思います。
開催のきかっけ
きっかけは武智の講座に参加したお母さんが発した
「お父さんにも同席してもらいたい」
という一言でした。
父親がなかなか子どものことを理解してくれない、父親と母親との間で意見や考え方が違った時に対立してしまい、どうしたらいいか迷うことが多い。このようなご家庭は少なくないと思います。
ですので、相談や講座にお父さんにも同席してもらいたいという、お母さんの気持ちはよーくわかります。
そしてお母さんからその話が出た時、必ず聞く質問があります。
「お父さん自身は相談に行ってみたいと言っていますか?」
お父さんなりに気になっていることがあったり、子どものことをもっと理解したいと思っていたり、機会があったら相談したいと思っている方であれば喜んでお受けします。
一方で、お父さんにまったくその気がない場合には「慎重にことを進めましょう」とお話しします。
支援員の中にも「お父さんも相談に来てもらえないかな」とお母さんに提案する人がいます。
しかし、僕は支援員からの提案については特に慎重であるべきだと思っています。
お父さんを無理やりお母さんと同じ土俵に上げようとして、うまくいかなかったケースを何度も目にしてきたからです。
相談の場に来てくれたものの「特に困っていることはありません」とか、当たり障りのないやりとりをして終わる。一見こちらの話を理解してもらえたように見えても、ただその場を合わせてくれているだけで、納得しておらず、家に帰ってからお母さんとの関係が悪くなってしまう。
お父さんとしても面白くないですよね。
「お母さん&支援員 vs お父さん」という2体1の構図になってしまうから。
そもそもその提案をした時点で支援員の意図が見えてしまいます。
「お父さんにも子どものことをもっと理解してほしい」とか「お母さんがこんなに困っている」など、”お父さん”にお子さんやお母さんへの理解を求めたり、かかわり方を変えてほしい。という支援員のなんらかの思い(意図)からの提案だと思うのです。
しかし、それは本当にお父さんが望んでいることなのでしょうか?
もっと言うと、お父さんはお子さんのことやお母さんのことを考えていないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。
お父さんなりにお子さんの未来やお母さんの今のことを考えている場合が多いと思います。
ただ、考える視点、見ている場所がお母さんとは違うのです。
そして、往々にして、伝え方も上手じゃなく、お母さんに自分の考えをしっかりと伝えることができていない場合が多いと感じています。
そんな理由から、「お父さんはお父さんの立場で率直に話ができる場があるといいのではないか」と考え、お父さんだけのおしゃべり会を開催することになりました。
そしてスタッフも女性抜きで、男性だけのおしゃべり会にさせてもらいました。
実際にやってみた!
参加してくれたお父さんが「自分のことを理解してくれている」と感じられる場をつくることにコミットしながら、その場で必要と思われることをお話しさせていただきました。
場を活性化させるために、少し自分が話し過ぎた感じはありますが、表情やうなづきから、場が少しずつほぐれていくのを感じましたし、安心安全な空間になったと思います。それぞれの立場で何かを感じてもらえる時間になったのではないかと思います。
冒頭にも書いたように「子育てだけじゃなく人間関係全般に繋がる話で気づきがたくさんあった」とか、「予想もしなかった角度からの話が聞けて視野が広がった」といった感想を言ってくれる方もいましたが、発達障害の教科書に載っているような話はほとんどしません(笑)
実体験に基づいて、また、武智がこれまで学んできた、応用行動分析学(ABA)、コーチングやアドラー心理学、脳や心のしくみのお話など、さまざまな角度からお話しさせていただいています。
「お父さんとお母さんとの間で意見や考え方が異なるときどうするか」という質問については、そもそもの男性と女性の違いからお話しさせていただきました。ここが一番盛り上がったところかもしれません。
「お母さんに言われたから参加しました」と最初の自己紹介で話していたお父さんも、しっかりと自分の中にある想いを話してくれたのは嬉しかったです。
有難いことに「子育ての話をなかなか父親だけでできる場はないので、今後も定期的に参加したい」と言ってくださる方が複数いらっしゃいました。
やはり子どもの言動になんらかの理由があるように、お父さんの言動にはお父さんなりの考えや想い(お父さんのストーリー)があることを改めて感じました。
そして、そのストーリーを理解してもらえると心を開いてくれる。
今後も定期的に開催していきたいと思っているので、少しずつお父さんたちの輪(和)が広がっていくといいなぁと思いました。
あらためて思う
子育てや発達障害に関する相談を受けますが、大切にしていることは、自分を知り(自己理解)、子どもやお母さん・お父さんのことを知り(他者理解)、その上で、自分も周りも幸せに生きるために、自分で何を選択して行動するか(自己選択)。子育ての領域にとどまらず、生き方全般に関わること。
僕とやりとりする時間が一人ひとりが自分の人生をしっかりと歩んでいくきっかけになると思うとワクワクします♪
ちょこっとつぶやき
目の前のその人の背景にあるストーリーを感じてみよう。
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