今日はあるお母さんからいただいた質問を紹介します。
自分の子の癇癪が激しいと、親御さんとしてはいろいろと気を遣って大変な思いをすることも多いですよね。
いただいた質問
小学校高学年の母です。子どもが本格的に支援と繋がったのは一年前。その当時の我が子は、少しでも自分にあわないと感じると、人に言われたことが受け取れなくて、激しい癇癪で大暴れする、叩く、蹴る、他害、自傷、飛び出す、大きな声で喚くのオンパレード。学校でも放課後等デイサービスでも相当厄介な子だったと思います。
結局は不登校になりましたが、先生や支援員の方に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。支援を早くから受けられているお子さんは比較的穏やかに過ごされている方が多かったので、本当に申し訳なくて。
武智さんは支援員の立場からそのような子どもをどのような想いで支援されていたのか知りたいです。
また、子どもの両親は「こういうスタンスでいたらいい」というものがあれば教えてもらいたいです。
親御さんには堂々としていてほしい
外で騒ぐ、暴れる、他害がある…
ご本人も親御さんも苦しいですよね…。
親御さんとしては見てられず申し訳ない気持ちになりますよね。武智も親の立場だったら胸が痛くなるかもしれません。
ここから先は武智個人の感覚ですのですべての支援者に当てはまることではないかもしれませんが、支援者としての立場から武智の考えをお話しさせていただくと、「申し訳ない」なんて思う必要は全くありません。
そこは堂々としていてほしい。
そして、「どうしたら落ち着いて交流できるか、私たちと一緒に考えよう」と言いたいです。
むしろお子さんに対しては「ちゃんとした環境調整ができず、暴れるような状況を作ってしまって申し訳ない」とさえ思います。
お子さんも暴れたくて暴れるわけではなく、やり場のない不安や想いの表現の手段がそれしかないのだと思いますし、やってしまった自分に対して落ち込み、傷ついていると思うのです。
もちろん「もう少し早くかかわることができていれば…」と思うことはあります。
でも親御さんには親御さんの想いやヒストリーがあっての「今」だと思うのです。
支援に繋がること自体ものすごく勇気のいることだったかもしれません。
だから、気づいたところからスタートすればいいと思っています。
★僕が実際に体験した、小学校高学年で通級在籍(現特別支援教室在籍)のお子さんの外出支援に携わっていたときのエピソードがあります。長くなるので、詳しくは別の記事に書きました。よろしければ合わせてお読みください。
このエピソードに出てくる彼は日常的にパニックを繰り返しており、自分の安心できる居場所がありませんでした。
はっきり言えることは、癇癪や暴言・暴力を起こしたくて起こす子はいません。そういう形でしか表現できないくらい追い詰められています。
安心して相談できる場所はあったのだろうか?
親御さんの想いやヒストリーがあっての「今」と書きましたが、親御さんなりにいろいろな想いを抱えながら、「迷惑かけて申し訳ない」と周りの方たちに相当気を遣い、「このままではいけない」「なんとかしなきゃ」と迷ったり焦ったり、試行錯誤しながら、ここまで来たのではないでしょうか?
もしかしたら、既にどこかに相談していたのかもしれません。
もしそうだとしたら・・・
お母さんのお気持ちは理解してもらえていたのだろうか?
ご家庭で実行可能な助言はしてもらえたのだろうか?
そもそもお話の内容を理解してもらえていたのだろうか?
たらい回しにされていなかっただろうか?
そんなことが気になります。
誰かに相談しようと思った時、何からどう話していいかもわからない方が多いのではないでしょうか?
自分のお子さんのことを話すだけでなく、ご家庭の状況や自分自身のことも話さなければなりません。相当な負担だと思います。
「せっかく話したのに・・・」
そう思わせないよう、相談に来てくれた人が帰る時に「相談してよかった」と思える時間になるよう常に意識しています。
また、「相談をする」ということがどれだけ勇気のいることか、そのことを忘れてはならないと思っています。
支援者も単なるチームの一員にすぎません
常々思うのは、支援者が決してえらいわけではない、ということです。
支援者も「ご本人が自分を発揮して生きていけるように」親御さんや他の関係者と一緒にサポートする、チームの一員にすぎないと思います。
支援者も万能ではありません。
うまくいかないこともたくさんあるし、傷ついたり傷つけたりすることがあるかもしれませんが、その学びを次に生かす。その繰り返しだと思います。
お互いの経験をシェアしてよりよいものにしていくため、一緒に考えていく。本人を中心としたチームを一緒に育てていく意識を親御さん・支援者とも共有して、協働していく。
そんなチームを目指したいと最近強く思います。
ちょこっとつぶやき
One Team ♪
どうせなら凸凹が入り混じってそれぞれが活かし合えるワクワクするチームをつくりたい。
あなたはどんなチームをつくりたいですか?
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